2014年9月30日火曜日

【採決まであと1ヵ月!】江戸川区、学童クラブ廃止にむけついに大手! すくすくスクール学童は、「児童福祉法適用外」の「江戸川式・学童クラブ」へと変わる!!

去る9月25日、1つの議案が、江戸川区長より江戸川区議会に上程されました。

※議案の現物は こちら (江戸川区議会サイト内PDF)からダウンロードできます。

この議案の内容を一言で表現すると、次のようになります。

「平成27年4月より、すくすくスクールの『学童クラブ登録』は、国が定める児童福祉法によらない、江戸川区独自の事業とする」。

この議案が可決され、条例として正式なものとなれば、すくすくスクールの「学童登録」は、国が定める児童福祉法という法律上の「学童保育」には該当しなくなり、「江戸川区独自の事業」となります。


■条例可決で、江戸川区の「学童クラブ」は 
 子どもの権利を保証した「児童福祉法」から外れる

議案の中には、このような記載があります。

【 保護者の就労等の理由により、家庭において適切な保護を受けることできない児童に対する事業である「学童クラブ事業」を行う 】

一見、「あれ?学童はなくならないじゃないか?」と思わせる記述です。
が、これは、法に疎い者を惑わせる、一種の行政テクニックです。

この新条例案には、今までの学童クラブ条例に明記されていた、【 児童福祉法に基づき 】 の文言が、どこにもないのです。

さらに、【 児童福祉法に基づいて行う 】 としていた、これまでの【 江戸川区学童クラブ事業条例を廃止する 】、としています。

そして江戸川区長は、議員に対しては「学童クラブ事業が児童福祉法によらないとする根拠にするために新条例を上程した」とはっきり説明しています。

またすでに2014年6月の段階で、すくすくスクール担当課である教育推進課長は、江戸川区議会文教委員会において、「児童福祉法に沿った運営は、すくすくスクールでは行わない」と、今回の議案上程に先駆けて、明言しています。


■この10年で著しく機能低下した、
 すくすくスクール内学童クラブ

江戸川区の公立の学童クラブは、11年前、「すくすくスクール学童登録」として、江戸川区の「すくすくスクール(全児童対策事業)」に一体化されました。

すくすくスクール導入当時、江戸川区は、「学童クラブはなくなりません!さらに充実します!」と、当時の保護者初め区民に約束、説明を繰り返していました。
※詳しくは下記をご覧ください。
◆2014/09/11記事
【江戸川区民の皆さんへ】江戸川区から「学童保育」がなくなるかもしれない。あなたの声を「区長への手紙」で伝えてください!
◆資料ダウンロード 2003年9月「広報えどがわ」


しかしその後、学童独自の行事は消え、結果、保護者の横のつながりが途絶え、当時を知る保護者もいなくなる間に、江戸川区は常勤指導員を減らし、昨年にはおやつを廃止、連絡帳の機能低下など、「学童クラブ」としての機能を著しく低下させることに注力してきました。

いまや「すくすくスクール学童」の内容は、他の自治体と比較しても、すでに「学童保育とは言いがたい」ものになっているのです。




■児童福祉法をはずれ、
 江戸川区の「学童保育」はどうなる?

それでも今はまだ、法律上は、江戸川区の「すくすくスクール学童登録」は、国の児童福祉法上の「放課後児童健全育成事業」に該当しています。

そして折りしも今年は、厚労省の指導で「放課後児童健全育成事業」につき守るべき「基準」が発表され、各自治体はこれに沿って条例を整備しなければならない、とされているタイミングでした。

当えどがわ学童保育フォーラムの保護者たちも、それに一縷の望みをかけて、おやつの提供など、「すくすくスクール学童」の改善の訴えをつづけてきました。

しかし、今、予想通りではありますが、江戸川区は学童クラブを児童福祉法外のものとする新条例を提出して来ました。

これが可決されれば、今後は、「江戸川流」に、どのようにすくすくスクール学童の内容を変えても、法律的にはなんの問題もない、ということになります。

江戸川区長が、学童クラブの常勤指導員雇用を「ムダな人件費」と考えていることも、国会での区長発言(平成18年)などからあきらかであり、実際、学童保育時代にかかっていた15億円を、すくすくスクールと一緒にすることで、5億円まで削減できるのだ、と同じ場で述べています。

※詳細は 以下の記事をご参照ください。
2014/09/27記事
【学童保育縮小・廃止で予算削減を目指す!】江戸川区、「すくすくスクール」導入による学童保育予算削減のシナリオ/



■学童クラブ廃止条例の上程を知っている区民は少ない

現状、このことを知っている学童保護者、あるいは江戸川区民は、多くはないでしょう。平成25年度の「学童の補食(おやつ)の廃止」の時もそうでしたが、十分な広報のないまま、そして十分な区民の意見の吸い上げのないまま、さらには江戸川区が主催している「子ども子育て応援会議」の場でひと言も取り上げられることなく、一切が進められています。

区民に広報されるのは「可決後」でしょう。


■江戸川区は、「学童は今と何も変わらない」と
 区民には説明

条例のことを知った保護者から、すくすくスクールや江戸川区に問い合わせがあれば、「条例が変わっても学童は現状と何も変わりませんよ」と、説明を繰り返しています。

また名称も、利用者を混乱させる一種のトリックです。児童福祉法から外れ、児童福祉の理念も基準も関係ないのに、名称はこれからも変えず「学童」と呼ぶのです。これでは一見、江戸川区にも、他の自治体のように児童福祉法に基づいた「学童保育」「学童クラブ」があるかのように、見えてしまいます。

しかしその実態は、おやつもない、休養スペースもない、留守家庭の児童が安心して長時間を過ごせる場所とは程遠いものです。就労時間を証明する書類を提出すれば、一般のすくすくスクール児童の終了時間である「17時」ではなく、「18時」までその部屋にいられる。

本当に、それだけ、です。

それだけで、江戸川区は、「学童クラブ」と呼ぶわけです。


■10/20の「総務委員会」が正念場!
 何もしなければ10/28本会議で条例可決の見込み

この議案を審議する江戸川区議会は、10月28日に本会議があり、ここで条例の採決が行われます。

そしてそれに先立つ10月20日には、条例審議の場である「総務委員会」が開催されます。実質上、条例としての採決の可否は、この総務委員会が正念場となります。


私たちも、まだ粘ります。
詳細はまた次回の記事に譲りますが、まだ諦めていません。

皆さんも、どうかこのことを広く広めてください。特に江戸川区にお住まいの皆さん、その中でも江戸川区で働きながら子育てをしている皆さん、ひとりひとりが、江戸川区に意見を伝えましょう。どうかできることから、お願いします!

声の上げ方は、下記記事でご覧ください。
どうぞよろしくお願いします!

◆2014年9月11日
【江戸川区民の皆さんへ】江戸川区から「学童保育」がなくなるかもしれない。あなたの声を「区長への手紙」で伝えてください!



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