2016年4月1日金曜日

【「持ちこみ補食」開始!】区内ほぼ全校で「5時以降実施」の模様。保護者の要望をさらに伝えてより良い運用に!

1月から2月にかけて、江戸川区内全73校のすくすくスクールで、「保護者の持ち込みによる補食」に関する保護者会が、順次開催されました。

この保護者会の結果について、各校の保護者らから伝え聞く情報をまとめていきますと、それぞれのすくすくスクールで、それぞれの結論は出た模様ですが、どこか煮え切らない思いを抱えたままと言う声も少なくありません。

何しろ、各校のすくすくスクールの保護者は、基本的には横のつながりがありません。ですので、

「持ち込み方法について、うちはこうしたけど、お隣の小学校ではどうしたのだろう?」
「もっと上手な運用方法のアイデアはないだろうか?」
「要望したことについて、江戸川区の担当者からこういう理由で断られたが、他の学校ではこういう要望は出なかったのだろうか?」

そんな疑問を抱きながら、出た結論を受け止めている…このような状態のようです。

これに関して、すくすくスクール取りまとめる江戸川区担当部署より、江戸川区全73校の保護者会の結果を取りまとめて、保護者らに情報提供していただければベストです。自治体と保護者が手を取り合って、子どもたちのためにより良い運営スタイルを考えて、運用していくことができるでしょう。

しかし残念ながらそういった対応は、現在のところありません。

また本日は4/1。各校のすくすくスクール学童クラブに、昨日まで保育園で過ごしていた新一年生がやってきています。第一子で新一年生ですと、すくすくスクールの状況もよくわからない…という状況の方も多く、情報的に孤立する親も少なくありません。そこで当えどがわ学童保育フォーラムが、各地の保護者から寄せられた情報を、このブログでお知らせしていきたいと思います。

「保護者による持ち込み補食」イメージ
「ジッパー袋+マジックで記名」で、「袋菓子」、さらに「常温保存可能な飲み物(任意)」という基本スタイル



◆結局、「補食を食べる時間」は何時になったのか?

さて、今回の保護者前に私たちが行ったアンケートで、保護者らが最も気にしていたのは「補食を食べる時間」でした。

(参考) → 2015年11月17日記事 【すくすくスクール保護者アンケート結果発表!】おやつを「希望する」人の割合が、なんと「100%」!


このアンケートでは、保護者のほとんどが3時半から4時半のタイミングでの補食施行を希望していました。

しかし、実際の保護者会での決定事項は、江戸川区内全73校のうち、ほとんど(おそらく70校近く)が「17時以降」となったようです。

このズレは、何でしょうか?

「3時半から4時半」を希望しながらも、最終的に「5時以降」に決定したという何校かの保護者からは、下記の声が寄せられました。

■5時以降にならないと、「食べる場所がないから」「場所があかないから」という理由で、「3時半~4時半」は食べさせらえないと言われた。
(注:今回の「持ち込み補食」は、すくすくスクールホームルームでは食べてはいけないことにされています。ホームルーム「以外」の場所を、「学校側と話し合って使う」とされています)

事例①
食べる場所は、すくすくスクール隣の「会議室」と指定されたが、先生方が会議で使う場所なので、先生の勤務が終了する時間(5時前後)まで会議室は開かない。だから補食は5時以降しかできないと言われた。

事例②
食べる場所は「理科室」と指定されたが、そこも4時半以降しか空かないので、補食は5時以降しかできないと言われた。

他に校内に空いている場所がいくつかあり、そこならば3時半ごろから利用可能ではないか?と聞いたが、「新一年生は人数が増える予定なので、潰して教室にする可能性があるから使えない」「すくすくスクールホームルームから少し離れており(校舎の端)、子どもの導線が悪いので使えない」などの理由で断られた。


■3時半~4時半は、夢中で遊んでいる時間であるから、すくすくスクールでの「遊びがとぎれない」ことが重要であるとの江戸川区の指導に従って、「5時以降でないと食べさせられない」と、言われた(声多数)。


こういった理由により、江戸川区内73校中、ほぼ70校近くで、補食の施行時間は「5時以降」となったようでした。このように5時以降になったことで、補食の希望者は減り、学童登録も減ってくと思われます。

しかし中には、3時、4時、4時半に決まった学校も、ごくわずか数校あったとのことですので、これらの学校がどのような背景で、理由で、この時間に決まったのかは、今後の続報に委ねたいと思います。

◆子どもにとっての「補食」は、空腹を満たすだけのものではない

補食は、学童の子どもたちにとって、単に肉体的な空腹感を埋めるだけのものではないと、私たちは考えています。厚労省はじめ、国の機関である「小児科と小児歯科の保健検討委員会」が、学童期の補食を「必要なもの」とする指針を出してきたことにもあるように、学童の「心身の発育」のために必要な補食を、補食として「適切なタイミング」で摂ることが必要なのです。

それでもこれまでの2年間、補食がないために空腹を抱えて遊び続けていた子どもたちのうち、一部だけとはいえ、そして、遅い時間とはいえ、補食をとれることになりました。これは大きな前進です。

すくすくスクールの意義は、「遊びの中から学ぶ」ことだそうです。

しかしながら、その「意義」と「補食の意義」は、それらを天秤にかけて、どちらかを選ぶというような性質のものでしょうか?

遊びをとぎれさせないためには集中力が必要です。そのためには、エネルギーの補給が重要です。特に低学年児童は夢中になると、「のどが渇いた」「おなかがすいた」ことに気づかず、心身のバランスを崩すぎりぎりの状態まで遊んでしまいます。集中力も低下します。そして集中力が低下すると、事故やトラブルなどの危険にもつながります。

すくすくスクールの意義を活かすのであれば、学童期の子には一般におやつが必要であるという事実を重視し、大人の配慮として、補食を取らせることが必要なのではないかと考えます。

また、働く親の子どもは毎日一定時間、必ず行かなければいけないすくすくスクールであるのに、お友達とのトラブルなどで楽しく通えない子もいます。そのような子に、おやつによる気持ちの切り替え、おやつを媒介とする大人のアプローチが重要な場面は、少なくありません。

理念で、おなかも心も一杯になるのは大人だけ、いえ、大人でも、一杯にすることができるでしょうか? 子どもにはなおさら、大人の思いやりが、そしてぎりぎりの状態におかない大人の分別が必要です。

大人がすべきことは、子どもにおやつを食べさせないことを正当化する理由を、なんとか見つけ出すことではなくて、「すくすくスクールの意義」と「心身の健全育成」をいかにして両立させるかを考えることではないでしょうか。

いっぽうで、これはすくすくスクールのスタッフの業務を増やすことになります。

補食がなくなって2年、現場のスタッフの数は、ますます減らされているにもかかわらず、子どもの数が多い時間帯での補食を実現しようというスタッフの方々が存在するということは、現場の理解がいかに深いかを物語ります。

業務が大変になっても、子どもたちが元気に遊べ、笑顔で過ごせる環境を作りたい。そのお気持ちに感謝の念を禁じ得ません。

そして、学校によっては、もっとよい補食にするにはどうしたらよいのか、おにぎりや、果物の持ち込みは実現できないか、また、毎日廃棄物が多く親の負担が多い個人持ち込みでなく、共同購入にすればもっと楽に、そして子ども達も同じ物を食べる喜びを共有できるのではないか、そういう話し合いが保護者の間で自主的に始まっているところもあるそうです。

補食の説明会では、「スタッフのマンパワーを理由に補食時間の希望を断ることはない」とのことでしたし、区長の説明によれば、すくすくスクールの活動は「学校中を使える」とのことです。保護者の希望をいかようにも実現する条件は揃っているはずです。


◆夏休みに向けて、引き続き保護者の要望を出し続けていくこと

早いもので、今週末からもう学校は春休み。4月1日には、前日まで保育園で過ごしていた子どもたちが、「一日育成日」にリュックサックにお弁当を入れて、すくすくスクールにやってきます。そして幼いこの子たちこそ、より早い時間のエネルギー補給を必要としています。

今、すでに補食が「5時以降」となったすくすくスクールは、しばらくはそれで運用が続くでしょう。次は、夏休みです。今度は新一年生の保護者を交えて、夏休み前の学童保護者会があります。その時にまた、補食の運用について、保護者とすくすくスクールスタッフが話し合う機会となります。

この時の話題として、時間だけではありません。「補食を持ち込み方法」もまた、焦点となります。

なぜなら現状のルールでは、「補食は必ず保護者が持ち込む」とされています。つまり週末などに、保護者が持ち込まなければいけないというところがほとんどです。

確かに学校開校中は、ランドセルに子どもがおやつを入れて登校するのは、トラブルが心配されるでしょう。しかし夏休みなどの「一日育成日」には、子どもは学校へは行かず、すくすくスクールに直接やってきます。その時、リュックにはお弁当と水筒が入っているのです。そこに何故、「補食」が入っていては、いけないのでしょうか?

たとえ一日育成日でも、補食だけは保護者が持っていかなくてはならないのでしょうか?

また、学校開校中はたとえ「5時以降」の補食となっていたとしても、夏休みなどの長期休暇の長い保育時間をすごすために、補食の時間は、もっと早い時間に変更する必要も考えられます。

補食運用方法の見直しは、保護者の希望があれば、何度でも行えるそうです。

節目、節目で、補食の形態をもっとよいものにするチャンスが巡ってきます。補食についての話し合いは、これからです。

各学校の保護者の皆様におかれましては、諦めることなく、声を上げ続けていただきたいと思います。また疑問やご意見は、ご遠慮なくえどがわ学童保育フォーラムにお寄せください。

何卒よろしくお願いいたします。

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